「宇宙・地球、そしてその歴史」

宇宙地球科学研究棟(理学部F棟)の

 玄関ロビー展示と装飾石材

esswani

本サイトでは、大阪大学・大学院理学研究科・宇宙地球科学研究棟(理学部F棟)のロ ビーに展示されている展示物の解説を掲載しております。テーマごとに以下のリンクをご覧ください。

ロビー展示整備委員会                           
土′山明、山中千博、佐伯和人、松本拓也、鳥居研一、小柳光正

リンク
ロビー北側
ロビー南側
ロビー石材資料
玄関天井の星図
マチカネ ワニ
化石
鉱物
岩石
lobby-north
lobby-south
新着・改訂情報    
2007年7月12日 一般公開開始
2013年6月18日 M-3バラ輝石の説明文の地名のよみがなの誤記を修正
       内容について問題等ございましたら、ksaiki<at_mark>ess.sci.osaka-u.ac.jp     
          佐伯までご連絡ください。(<at_mark>を@に書き換えたものがメールアドレスです。)

F棟エントランス ロビーについて  
(宇宙地球科学専攻平成29年度年次報告書より転載(一部修正))

 理学部F棟の建設計画は平成2年(1990年)から開始された。昭和39年(1964年)に建設された理学部建物の老朽化に伴い、学部全体の改築および新造が計画されたが、F棟はその端緒になるべく、階段教室、オープンスペースの研究室、天体望遠鏡をもつ天文ドームなど、当時としては斬新なプランが立てられた。しかしながら、予算や基準面積の縛り、非常時の避難経路の確保など種々の制限により、通常構造の部屋配置を有する現F棟の西半分の建物が竣工された。以来、理学部物理系・宇宙地球科学科の時代を経て、大学院重点化以降は、主に宇宙地球科学専攻が使用している。
 F棟玄関については、池谷元伺教授(当時・故人)などの発案で、新しい学科の象徴的な存在として、アピール性のある装飾を施すことが議論され、地球科学的に興味ある石材を具象化したデザインが採用された。このときの内装関係の資金上の問題は、理学部F棟の建設担当であった褐ワ洋建設のご厚意、委任経理金の支援、有志の方々のご寄附によりまかなわれた。これらの天然石材は、21億年前に形成された世界最大の貫入岩体を構成する斑れい岩、12億年前の波の痕の化石、10億年前に炭酸ガスを固定したシアノバクテリアが作ったストロマトライト、プレートテクトニクスの考えに先駆けた地層逆転構造で有名な秋吉台の石炭岩(フリズナ・腕足貝化石入り)などがあり、地球の歴史を伝える貴重な試料が多数展示されている。
 2004年(16年度)には、これに加えて、「本専攻のテーマたる宇宙と地球をイメージできるもの、および手に触れることのできる地球科学的試料」というコンセプトのもとに、岩石鉱物試料・大型化石プレート・マチカネワニ顎部のレプリカ展示、F棟エントランス天井部分への星図表示、専攻名の入ったプレートの設置がおこなわれた。これは理学研究科「平成16年度競争資金に係る間接経費執行計画」における「F棟エントランス玄関ロビーの学生の教育・啓蒙目的での整備」に基づくものである(委員:??山明、山中千博、佐伯和人、小柳光正、鳥居研一)。これらは、大学祭、オープンキャンパス、オリエンテーションや講義、公開講座の折りに紹介、説明され、教育研究や広報活動の面で役立っている。


1)岩石鉱物試料
 壁面石材以外のもので、地球科学的に興味ある岩石・鉱物試料を各15点選定した。独立行政法人・産業技術総合研究所・地質標本館には一部の鉱物標本の寄贈をお願いした。豊遥秋博士(地質標本館前館長・当時)には標本寄付を仲介していただいた。地球内部のマントルからもたらされたカンラン岩や太古の超苦鉄質岩(コマチアイト)、世界最古の岩石のひとつであるカナダ・アキャスタ地域の片麻岩(39.6億年前)、1990年代に噴火した雲仙普賢岳の岩石(デイサイト)、縄文〜古墳時代の権威の象徴であった糸魚川の翡翠(ひすい)、大型水晶、かつては資源大国であった明治〜昭和初期の日本を象徴する鉱石標本(日立鉱山産硫化鉄鉱・北海道稲倉石鉱山産菱マンガン鉱)などである。

2)大型化石プレート
 平成7年(1995年)に故池谷名誉教授が、ドイツ(ボン)の地質標本業者Horst Burkard Mineralien Fossilien, より購入した3点の化石プレートの展示が実現した。試料はそれぞれ、カンブリア紀中期の三葉虫(Acadoparadoxides briareus)、デボン紀の直角貝化石(Orthoceras Fossil Plate)、およびアンモナイト(Ammonite: Clymenia plate with Orthoceras)で、モロッコ、サハラ付近の産である。

3)マチカネワニ上顎・下顎部
 マチカネワニは理学部の建設地から昭和39年(1964年)に発掘された日本で初めて発見されたワニ類の化石であり、現在大阪大学総合学術博物館待兼山修学館に実物と復元骨格が展示されている。F棟玄関には、上顎のレプリカ(ガラスケース入り)と下顎のレプリカを展示している。冨田幸光国立科学博物館地学研究部古生物第三研究室長には同博物館のレプリカ作成室でマチカネワニ下顎レプリカの作成にご尽力いただいたほか、展示方法に関して様々なアドバイスをいただいた。実際の製作はレプリカ作成室円尾博美氏にお世話になった。また江口太郎教授(当時、大阪大学総合学術博物館長)にはレプリカを作るためのマチカネワニの原型データの提供や、解説のための各種資料を提供いただいた。

esswani
マチカネワニ下顎部

4)天井星図
 東洋や西洋の歴史的な星図、装飾的な星図等、色々な可能性を議論した後に、現代の科学教育という観点から、実用的な星座早見盤のデザインを選定した。これは日本天文学会編、三省堂刊の「世界星図早見」の北天の星図に基づいた。この図版の特徴は 4.5等星より明るい約900の恒星、天の川と星座等が星表のデータに基づいてコンピュータで忠実に描かれていることである。(株)三省堂と日本天文学会には、図案の使用を快諾頂いた。

5)専攻名プレート(1200×300×30mm)
 ステンレス製SUS304 のプレートに文字高さ100mmで「宇宙地球科学研究棟」と、縦にレーザー切文字加工したもの。平成29年(2017年)より、入口自動扉のガラス部に建物の正式名称である「理学・F棟」のサインも追加された。

展示内容に関しては、今後も機会あるごとに内容の充実と更新を行う考えである。このロビーが、文字通り「開かれた大阪大学・宇宙地球科学専攻の玄関」となることを期待したい。平成7年(1995年)におけるF棟玄関ロビーの整備については当時の学科パンフレット「未踏のフロンティア」p18-23に詳しい写真と説明がある。ここに改めて、国費でまかなえなかった部分をご寄付頂いた個人、団体、企業の名を記して、感謝を申し上げたい。

以上の展示を行い、説明文などを壁面に取り付けた形で平成16年度分の整備は完了した。今回は映像や動きのみえる展示はできなかったが、今後機会あるごとに内容の充実と更新を行う考えである。このロビーが、さらに内容を展開し、また学内外の多くの方に利用されて、文字通り「開かれた大阪大学・宇宙地球科学専攻の玄関」となることを期待したい。

1995年におけるF棟玄関ロビー装飾の整備については当時の学科パンフレット「未踏のフロンティア」p18-23に詳しい写真と説明がある。そのパンフレット発刊以降にご寄付いただいた方を含め、ここに改めて国費でまかなえなかった部分をご寄付頂いた個人、団体、企業の名を記して、感謝の意を申し上げます。

  裏 克己(阪大名誉教授)、金森順次郎(元阪大総長)、理学部同窓会、宇宙地球科学科有志
  大和地質研究所、日本電子、住友特殊金属、日本ペイント、サンハイ、オクエンテール

宇宙地球科学専攻・専攻長
(平成30年8月一部修正)

宇宙地球科学専攻ページに戻る